少し前の話ですが、東京に観光に行きました。
その際に築地にあるクリップという絵本とアートで遊ぶクリエイティブな空間に行ってきました。
そこでは、2時間、様々な絵の具を使って、アート体験をするのですが、ルールがあり、
「上手だね」「下手だなー」「何を描いたの?」「何を作ったの?」
と、言ってはいけないというものでした。
体験してみると、いかに我々がボキャブラリーがないか。制限される4つの言葉が出ること出ること。
むしろその4つ以外言っていないまであるほどでした。
果たして、なぜこの4つの言葉を使ってはいけないか、今回は独自に考えてみました。
子どもが描いた抽象的な絵に対して、「これは何を描いたの?」と聞くことが避けられる理由は、以下のような科学的根拠が存在します:
- 自己表現の制限:子どもの抽象的な絵は、彼らの内なる感情や想像力を表現する手段の一つです。しかし、子どもの感情や想像力は言葉で簡単に表現できない場合もあります。具体的な対象や形状に固執することで、子どもの表現意図を制限してしまう可能性があります。
- 評価へのプレッシャー:子どもに「何を描いたの?」と尋ねることは、絵の評価や正解の存在を暗に示すことになります。これによって、子どもは自分の表現が適切かどうかを気にし始め、自己評価にプレッシャーや不安を感じるかもしれません。結果として、創造性や自己表現の意欲が低下する可能性があります。
- 絵の解釈の個人差:絵画は視覚的な情報を通じて感じ取るものであり、その解釈は個人によって異なります。大人が「何を描いたの?」と尋ねることで、子どもは自分の絵の解釈を他人に合わせようとするかもしれません。これによって、子ども自身の個性や創造性が抑制され、他人の期待に合わせた描画になってしまう可能性があります。
- 絵のプロセス重視:子どもの絵は、単に結果物として見るだけでなく、描く過程や思考の発展に注目するべきです。絵を描くことは、子どもの認知能力や感情表現、問題解決能力の発達に関わる重要な活動です。絵を描いた後の質問は、子どもの描画プロセスに焦点を当てることで、より有益な情報を得ることができます。
したがって、「これは何を描いたの?」と聞く代わりに、子どもの描画に対して肯定的な関心を示し、彼らの表現に共感することが重要です。子ども自身が自由に絵を描き、自己表現を楽し、発展させることが育成的であります。
以下にいくつかの代替的な質問や対応方法を示します:
- 質問の代わりに共感を示す: 子どもの絵に対して、「この絵はとてもカラフルで楽しそうだね!」や「絵を描くのは楽しい?どんな色を使って描いたの?」など、絵の特徴や感じたことについて興味を示しましょう。これによって、子どもは自分の表現を大切に感じ、自信を持って創造的な活動に取り組むことができます。
- 描画プロセスに焦点を当てる: 子どもの描画に対して、「この絵を描くのにどんな考えがあったの?」や「絵を描くのにどんな気持ちだったの?」など、描く過程や思考の発展について尋ねることができます。子どもは自分の経験や感情を語り、自己理解や認知能力の発達に役立つことがあります。
- 関心を示す: 子どもが絵を描いた後、その絵について積極的に関心を示しましょう。子ども自身が絵の内容や意図を話したい場合は、彼らが自主的に情報を共有できる環境を提供しましょう。また、子どもが絵のストーリーや想像力について語る場合は、そのストーリーを楽しんで聞き、彼らの創造性を称賛しましょう。
これらのアプローチは、子どもの自己表現や創造性を尊重し、肯定的な環境を提供するためのものです。
子どもの絵画活動は、自己表現や感情の発達、想像力の育成にとって重要な役割を果たすものですので、子どもの興味や表現を尊重し、彼らの成長を支援することが大切です。
とまぁ、絵に限らず、ほとんどの事柄でも当てはまるのではないかと思います。
情報が溢れかえっている世界で必要なのは、自分自身どう感じるか、どう表現するかなど、事故に関する事柄です。そこを伸ばそうと思うと、やはり、共感や関心、プロセスに対しての言葉がけや興味関心を持つことが親としての務めではないでしょうか。
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