
職員室でお茶を飲んでいたら、再任用で働いている先輩の給与明細の話になった。「先生、これね、現役の頃の6割くらいなんですよ」と、笑いながら教えてくれた。
冗談めかした言い方だったけど、僕はその数字が妙に頭に残った。特別支援学校の教員という仕事は、子どもたちと向き合う仕事としてはやりがいがあるし、正直嫌いじゃない。でも、この働き方をこのまま何十年も続けたとして、その先にある収入がその水準だとしたら、というのは、考えたことがなかったわけではないけど、あらためて数字として突きつけられると、少し違う重さで響いた。
「このままでいいのか」という不安の正体
不安、というと大げさかもしれない。ただ、公務員という仕事は、安定はしている分、自分で「稼ぐ力」を試す機会がほとんどないんだと思う。毎月決まった額が振り込まれて、それが何十年も続く。ありがたい話ではあるんだけど、その安定に乗っかったまま定年を迎えたときに、自分の手元に何が残っているのか。そこがうまく想像できなかった。
3人の子どもがいて、これから教育費もかかってくる。長男が8歳、次男が6歳、末っ子はまだ1歳。今は妻が育休中で、家計として先のことを考える時間も自然と増えた気がする。そういうタイミングも重なって、「今のうちに、何か仕込んでおいたほうがいいんじゃないか」という気持ちが、じわじわ固まっていった。
資産の中に「稼ぐ部分」を作るということ
それで考えたのが、今持っている資産の中に、投資として働いてくれる部分を作ることだった。
不動産という選択
いくつか選択肢はあったと思うけど、最終的に不動産投資に落ち着いたのは、仕組みとして理解しやすかったのと、給与収入がある今のうちのほうが融資の面でも動きやすいと思ったからだ。公務員という属性は、金融機関から見ると悪くない材料らしく、そこは自分の仕事に助けられている部分だと思う。今は個人で5棟10室未満を目指しながら進めていて、将来的には法人化も視野に入れている。まだ道半ばで、偉そうなことを言えるほどの実績があるわけではないけれど、家賃という形で毎月お金が動く仕組みを、給料とは別に持てているというだけで、気持ちの余裕は少し変わった気がする。
技術・ノウハウという資産
もうひとつ意識しているのが、お金そのものだけでなく、将来お金に変わりうる技術やノウハウを蓄積しておくことだ。不動産投資を通じて学んだ知識も、発信を続けることで身についてきた文章力や情報整理の力も、多分どこかで役に立つ気がしている。今すぐ何かになるわけではなくても、蓄積しておいて損はないんじゃないかと思う。
公務員という立場との付き合い方
このブログを始めたのも、そのあたりの延長にある。公務員という立場上、できることとできないことの線引きはちゃんとあるし、そこは申請した範囲内で、という前提をきちんと守りながらやっているつもりだ。派手に儲け話を発信したいわけでもなくて、自分がやってきたことや考えたことを、静かに記録していきたいという気持ちのほうが強い。
答えが出るのは、まだまだ先だと思う。不動産投資も、発信も、今すぐ何かが劇的に変わるわけじゃない。それでも、何もしないまま定年を迎えるのと、少しずつでも仕込みながら迎えるのとでは、たどり着く場所がだいぶ違う気がしている。
再任用の先輩の話は、別に脅かすつもりで言われたわけじゃないと思う。ただの世間話だったはずだ。それでも、ああいう一言がきっかけで動き出すこともあるんだなと、自分でも少し意外だった。あの日聞いた数字のことは、たぶんこれからも時々思い出す気がする。


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